オフショア開発のメリット・デメリットについて。注意すべきポイントは?

オフショア開発のメリット・デメリットについて。注意すべきポイントは?

開発業務を海外に委託することで、コスト削減やリソース確保を実現しやすくなります。これはオフショア開発と呼ばれており、そのメリットの大きさに目を付けて採用する企業が増えてきました。しかし、自社への導入を検討するなら、少なからずデメリットがあることも忘れてはいけません。
そこで今回は、メリットとデメリットの双方からオフショア開発を詳しく解説します。

目次:

1.人気があるのには理由がある!オフショア開発のメリット

日本で行われている一般的な開発よりも、オフショア開発には有利な点がたくさんあります。そのため、日本のIT企業の半数近くはすでに活用しているのが実情です。
以下に、オフショア開発の代表的なメリットを説明していきます。

1-1.コストを削減できる

オフショア開発に対して、経費の節約というイメージを持っている人もいるでしょう。コスト削減は主なメリットの一つであり、人件費を安く済ませたい企業に採用されているケースが多いです。
発注先の国々は、日本企業の進出実績が豊富なアジア圏にあります。国によって人件費に違いが見られますが、いずれにせよ日本人を雇うよりも出費を抑えられます。中国やインド、ベトナムなどはオフショア開発が盛んな国として有名です。こうした地域では、人件費は半分程度で済むといわれています。

一方、ミャンマーやフィリピンでもオフショア開発の受注が増えており、日本のIT業界で動向が注目されている状況です。人件費の水準がもっと低いため、とにかく節約を重視するなら、この2国を選択肢に入れるという手もあります。
また、AIのような新しい技術を開発したくても、内容的に多くの費用を請求されるかもしれないと心配する方も少なくありません。しかし、オフショア開発であればこのような場合も、一般的には低コストでトライアルを利用できるようになっています。

1-2.優秀な人材を確保できる

開発の成果の良し悪しは、携わった人材の能力によって変わります。そのため、優秀な人材を確保することが重要であり、これを行いやすいこともオフショア開発のメリットです。日本はシステムやアプリの需要が伸びる一方で、少子高齢化が進んでおり、ITエンジニアの不足に拍車がかかっています。よって、国内で人材をそろえるのは困難な状況になっているのです。
また、海外のITエンジニアは低単価ですが、それはあくまでも日本のITエンジニアと比べた場合ですので注意しましょう。ただ、現地の給与水準に照らし合わせると、ほとんどの方が高い給料で働いているため、能力だけでなく、モチベーションも高い人材が集まりやすいです。

さらに、オフショア開発の拠点を持つ国に多く見られる特徴として、IT技術者の育成を支援する国策に力を入れていることが挙げられます。つまり、高度なITスキルを持つ人材を育てる土壌が用意されているのです。

1-3.ラボ開発を選択しやすい

ラボ開発を選びやすいことも、オフショア開発ならではのメリットとなっています。開発チームを固定することになり、その分だけコストは上がりますが、もともと人件費が安いので支障はあまり生じません。契約期間中は優秀なメンバーを自社要員として確保できるため、柔軟かつ効率的に開発を進めやすくなります。
さらに、自社の方針に対する理解度の向上や、チームワークの強化などの効果も期待できるでしょう。これらの影響により、開発が次第に加速していくことも多いです。

案件ごとにメンバーが入れ替わっていると、そのたびに発注元と発注先の両方に余計な手間が発生してしまいます。それゆえ、少なくとも中長期な開発プランの案件については、リスクヘッジのためにラボ開発で運用していくのが得策です。

2.言葉の壁に苦労する?オフショア開発のデメリット

オフショア開発に多くのメリットがあるのは事実です。しかし、注意した方がいい面もあるので、採用するかどうか判断するには、そちらにも目を向ける必要があります。
ここでは、オフショア開発にどのようなデメリットがあるのか紹介します。

2-1.コミュニケーションに苦労する場面が多い

オフショア開発では海外とのやり取りが必須です。そのため、言語の壁があり、コミュニケーションの面で問題が起こりやすいというデメリットがあります。特に初めて接する場合は、意思疎通がうまくできなくて困ることも多いでしょう。
セキュリティに関する意識が低く、やり取りのなかで対策の甘さが垣間見え、戸惑ってしまうことも少なくありません。さらに、発注までのハードルが高いことも、このデメリットが関係しています。

たとえば、日本でオフショア開発を手掛けるベトナム企業でも、営業やSEを担当する人材の多くはベトナム人です。依頼する側がオフショア開発に不慣れなら、相手が日本人でないことに不安を覚え、発注をためらっても不思議ではありません。
文化や商習慣が根本的に異なるため、この他にもコミュニケーションをうまく行えないケースは様々見受けられます。それらのリスクを減らすには、発注先の国について理解しようとする気持ちも必要です。

2-2.進捗管理がしにくい場合がある

進捗管理がネックになりやすいこともオフショア開発のデメリットです。
物理的に距離が離れていると、進捗や品質のチェックをすぐに行えない場合があります。順調という報告を受けていても、実際には遅延や問題が発生しているケースもあるでしょう。
ただし、このような場合、発注先のメンバーに必ずしも悪気があって隠しているとは限りません。
日本人と仕事に対するスタンスが違うため、進捗が遅れたり問題が起こったりしても、あまり気にしていないだけの可能性もあります。納期が目前に迫っていても、あまり努力することなく、軽々しく延長を打診されるようなケースもあるのです。

これらのリスクは工夫次第である程度避けられます。たとえば、スカイプ会議などで進捗をこまめに確認しておきましょう。ラボ開発を選んで自社専用のチームを構成し、メンバーとの関係性を深めることなども有効です。

2-3.小規模案件ではコスト削減がしにくい

オフショア開発がコスト削減につながるのは、案件の規模がある程度以上の場合に限られます。案件の規模が極端に小さいと、そのような恩恵をほとんど受けられない場合があります。必要なITエンジニアが少ないので人件費の面でメリットが生じにくく、一方で管理などの費用は普通にかかってしまうからです。
また、オフショア開発にはITエンジニアだけでなく、ブリッジSEやコミュニケーターも参加します。言語や文化の橋渡しをする人材であり、そのためのコストがかかることもポイントです。こちらに関しては、基本的に案件の規模に関係なく必要なので気を付けましょう。

以上のように、ITエンジニアの人件費を削減できる幅が小さいうえに、それ以外に発生する経費はあまり変わらないため、トータルでは出費をあまり抑えられません。そのため、案件の規模が小さいなら、発注するかどうか慎重に判断しなければなりません。

3.オフショア開発はベトナムがおすすめ?その理由とは

オフショア開発といっても発注先はさまざまです。メリットの多さを重視するならベトナムに注目しましょう。国策としてIT技術者の輩出を積極的に行っており、若くて優秀な人材が豊富なので、開発を成功させる戦力を確保しやすいです。
ベトナムと日本は時差が2時間ほどしかないため、勤務時間をそろえやすいという利点もあります。
また、経済成長が高水準で継続しているベトナム市場もポイントです。アジア圏の市場として有力になってきたので、オフショア開発の委託だけでなく、そこへの事業展開も見据えておくとビジネスチャンスが広がります。

さらに、ベトナムは日本と比べて祝日が少なく、お盆や年末年始に臨時休業が追加されることもありません。そのため、開発日数の安定した確保が容易というメリットもあるのです。

4.オフショア開発はデメリットをしっかりカバーできる会社に任せよう

オフショア開発にはコスト削減やリソース確保という大きなメリットがあります。一方で、コミュニケーション面のデメリットも小さくありません。
NSMであれば、フロントを務めるのは日本の開発会社であり、対応役の営業やサポート役のSEも日本人となっています。コストを抑えながら適切に実施できるような助言もしますので、初めての場合でも安心してお任せいただけます。オフショア開発に興味がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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参考:

  • 【Kredo Blog】【2020年版】オフショア開発とは?メリット・デメリットから最新動向まで
  • 【IPA】プレス発表「IT人材白書2012」のポイントを紹介
  • 【ITPRO PARTNERS】オフショア開発のメリットとその課題について徹底解説
  • 【IF Vietnam Co.,Ltd.】オフショア開発のメリットとデメリット
  • 【比較ビズまとめ】オフショア開発とは?メリットと課題・成功に導くポイントを解説!
  • 【オフショア開発.com】日本企業の45.6%が導入!『オフショア開発』のメリット・デメリット
  • 【Relipa】オフショア開発のメリット・デメリット
  • 【ITトレンド】オフショア開発とは?メリットとデメリットを詳しく解説!
  • 【レバテック】オフショア開発とは?|メリット・デメリットについても詳しく解説します
  • 【アプリ開発ラボマガジン】【オフショア開発のメリット】なぜベトナムが1番人気なのか?
  • 【SHIFT ASIA】ベトナムにおけるオフショア開発|メリット・デメリット・リスクについて

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